STAFF
多田恵太
きっかけは、知り合いのプロデューサーからのお誘いです。本プロジェクトのお話を伺い、私自身が学生という若い立場であることと、令和2年7月に私の地元・熊本県人吉市が豪雨災害を受けた経験が何か力になれるのではと思い、携わることにしました。被災直後、早朝から作業服で災害現場に出向く父親の背中を見て、素直にこの父親の子で良かったなと思いました。地元が一晩で災害の渦に飲まれ、それを誰よりも早く目にしなければならないという現実は過酷な出来事だと予想しますが、嫌な顔一つせず、地元を救うぞという眼差しをしている父親を見て格好いいと感じるようになりました。
今回プロジェクトを通じて一番印象に残ったのは、消防団の方々の声です。規律訓練での点呼やリーダーの掛け声など、限られた時間の中で誰一人と手を抜くことなく全力で発声しているところを見て、活動への意識の高さを感じました。消防団でスキルを得たり、地域コミュニティに属したりという目的で活動している人が多い印象だったのですが、好きな地元を守るために、災害意識を高めるという最大の目的を持って活動しているのだなと訓練や取材を通して学びました。
私自身参加はしていなかったのですが、活動を見て参加したい気持ちが大きくなりました。防災を学ぶことで、自らの救命にも繋がりますが、家族そして周りの友達にも、防災訓練で得た知識を広めることもできます。地域の防災意識を変える立役者になれると考えたら、とても魅力的な活動だと思います。
そして何より、消防団に加入している学生の方々がその活動に誇りを持ち、みんなに知ってもらいたいと思えることに大きな意義があると思います。私自身が学生消防団という存在を認知していなかったように、ほとんどの学生にまだ情報が伝達しきれていない状況だと感じました。(特に県外出身の大学生)しかし、同じ大学で消防団に加入している人も多くいました。加入している学生が、消防団での防災活動で多くのやりがいや学びを得て、それを友達にも広めたいと思えるような魅力が見つけられたら、県民の防災意識の向上や若者の消防団加入促進につながっていくのではないかと思います。
最後に、制作プロジェクトに携わって得たこと・学んだことは、大学生という幅広いコミュニティがある中で、このような取り組みをしている方々がいることすら認知できでいなかったのが恥ずかしいくらいです。消防団の活動を知れば知るほど興味・関心が湧いていく実感がありました。取材を通して、消防団で活動する方々には、地域の防災意識を変えるという強い使命感とプライドを感じました。私自身大人になったら、家族そして地域を守れるような強い大人になりたいと率直に思いました。貴重な経験をさせていただきありがとうございました。